「AIがAIを動かす」実践講座
Claude Codeで自分のAIチームを構築する2日間 — Day1
田中啓之 x WACA
エキスパート講座 Day1「自分のAIチームを構築する日」(2026/5/7)
今日のゴール
AIに指示→味見→フィードバック
このサイクルを
体験する
グラウンドルール
1. 質問はチャットにいつでもOK
2. 正解はない。自社に合う形を探す
3. 80%で出す。完璧を求めない
4. 走りながら直す。それでいい
AI活用の3段階
Stage 1 Stage 2 Stage 3
┌─────────┐ ┌─────────┐ ┌─────────────┐
│ 聞く │ → │ 使う │ → │ チームで │
│ │ │ │ │ 動かす │
│ ChatGPT │ │ 自動化 │ │ A2A │
│ に質問 │ │ ツール │ │ エージェント│
└─────────┘ └─────────┘ └─────────────┘
2023~ 2024~ 2025~
今日話すのは Stage 3。
AIが「チーム」として動く世界。
全部一人でやってない?
会社で考えてみてください。
| 社長がワンオペの会社 | 専門チームが回す会社 |
|---|---|
| 営業も自分 | 営業担当がいる |
| 経理も自分 | 経理担当がいる |
| 採用も自分 | 人事担当がいる |
| 雑務も自分 | アシスタントがいる |
| → 疲弊する | → 経営に集中できる |
AI活用も同じ。
1つのAIに全部やらせていませんか?
A2A的アプローチ = AIがAIに仕事を振る
Claude Codeで実現しているエージェント連携
┌──────────────────────────────────────────────┐
│ 従来: 人間 → AI(1対1の会話) │
│ │
│ 連携: 人間 → AI秘書 → サブエージェント群 │
│ (Opus) (Gemini/Codex/GLM等) │
└──────────────────────────────────────────────┘
従来のAPI連携との違い:
- API連携 = 決まった形式でデータをやり取り
- エージェント連携 = AI秘書が自分で判断して、Agent toolでサブエージェントに仕事を委譲する
SKILL.md = エージェントの業務マニュアル
各エージェントが「自分は何をどう進めるか」を業務マニュアルとして持っている。
# スキル名: キーワードリサーチ
## 入力
- テーマ名
## 出力
- 調査レポート(キーワード一覧 + 競合分析)
## 手順
1. テーマに関連するキーワードを洗い出す
2. 検索ボリュームと競合度を調査する
3. レポートにまとめる
## 品質基準
- キーワード10個以上 / 出典明記
会社で例えると、業務マニュアル。
「この仕事はこう進めます」と手順まで書いてある。
Agent tool = 仕事の委譲
AI秘書(Opus)が「Agent tool」でサブエージェントに仕事を振る。
┌──────────┐ Agent tool ┌──────────┐ Agent tool ┌──────────┐
│ AI秘書 │ ─────────-> │ リサーチ │ ─────────-> │ ライター │
│ (Opus) │ <────────── │ 担当 │ │ 担当 │
└──────────┘ 結果返却 └──────────┘ └──────────┘
│ │
│ Agent tool(レビュー依頼) │
│ ┌──────────┐ │
└──────-> │ 品質 │ <──────────────────────────┘
│ チェック │ 結果返却
└──────────┘
AI秘書が中心ハブ。専門家を起動し、結果を受け取る。
オーケストレーション全体像
ひろくん(指示1回)
│
▼
AI秘書(Opus / オーケストレーター)
│
├── Agent tool ──→ リサーチ担当 ──→ 結果を返す
├── Agent tool ──→ ライター担当 ──→ 結果を返す
├── Agent tool ──→ 分身AI ──→ 品質判定を返す
│
▼
AI秘書が結果を統合 → 成果物をひろくんに返す
ポイント: AI秘書が全体を回す。人間が間に入らなくても回る。
人間は最初の指示と、最後の味見だけ。
なぜ今エージェント間連携なのか
AIが賢くなっても、ボトルネックは変わらない。
それは 「人間の指示出し」
- AIが速くなった → 指示を出す人間が追いつかない
- タスクが増えた → 人間の判断待ちで渋滞する
- 品質を上げたい → 人間がチェックしきれない
解決策: AIがAIに指示を出せばいい。
人間は「方向決め」と「味見」に集中する。
私のAIチーム紹介
実際に今、私の仕事を回しているAIチームの中身。
3つの役割(AI秘書 + 分身AI + 専門家AI) で構成されています。
AI秘書(右腕(COO) / Opus): 全体管理・段取り
│
├→ 分身AI(魂の門番 / Opus): 価値観チェック
│
└→ 専門家AI群(実作業)
├ Gemini: リサーチ・文章生成
├ Codex: コード実装・設計
├ GLM: 軽量テキスト生成
└ マーケ戦略家・コピーライター 等
人間(経営者)の仕事は「方向決め」と「味見」だけ。
AI秘書が全員に仕事を振って、分身AIが品質を見て、専門家AIが実作業を回す。
「委ねるOS」への書き換え
| 抱え込みOS | 委ねるOS | |
|---|---|---|
| 口グセ | 「自分でやった方が早い」 | 「任せて、味見する」 |
| 判断 | 全部自分で決める | 方向だけ決めて委ねる |
| 品質 | 自分が見ないと不安 | 基準を決めてチェック |
| 結果 | 自分がボトルネック | チームで回る |
| 体調 | 倒れたら全部止まる | 倒れても回る仕組み |
会社で例えると、
「全部自分でやる社長」から「チームを設計する経営者」へ。
ライブデモ: AIチームが動く瞬間
これからClaude Codeに切り替えます。
見てほしいポイント:
1. 人間の指示は 1行だけ
2. エージェントが 自動で分担 して動く
3. 人間がやるのは 味見だけ
会社で例えると、「新商品のLP作って」と言ったら
リサーチ・構成・デザイン・仕上げが全部動き出す感じ。
スキル = エージェントの業務マニュアル
エージェントは「何でもできる人」じゃない。
業務マニュアル(SKILL.md)があるから、再現性のある仕事ができる。
業務マニュアル SKILL.md
───────────── ──────────────
必要な情報 → 入力(何をもらう)
完成イメージ → 出力(何を返す)
作業手順 → 手順(ステップ)
合格基準 → 品質基準(OKライン)
マニュアルがなければ、担当者が変わるたびに品質がブレる。
スキルがなければ、毎回出力が変わる。
SKILL.md の4要素
1. 入力 — 何をもらうか
テーマ名、キーワード、参考URL…
2. 出力 — 何を返すか
記事本文、レポート、チェック結果…
3. 手順 — どう作るか
Step 1: 調査 → Step 2: 構成 → Step 3: 執筆…
4. 品質基準 — どうなったらOKか
文字数3000字以上、ファクトチェック済み、見出し5個以上…
この4つが揃えば、誰が(どのAIが)やっても同じ品質になる。
業務の切り分け方 Step 1-2
Step 1: 業務を書き出す
今やっている仕事を、とにかく全部並べる。
Step 2: 「判断」と「手順」に仕分ける
┌─────────────────────────────────────────────┐
│ あなたの業務一覧 │
├─────────────────┬───────────────────────────┤
│ 判断が必要 │ 手順で回る │
│ (人間の仕事) │ (スキル化の候補) │
├─────────────────┼───────────────────────────┤
│ 新規事業の方向性│ 毎週のSNS投稿 │
│ 価格の決定 │ 問い合わせの一次対応 │
│ 採用の最終判断 │ 月次レポートの作成 │
│ クレーム対応方針│ 競合の定期チェック │
└─────────────────┴───────────────────────────┘
右側がAIチームに委ねられる領域。
業務の切り分け方 Step 3-4
Step 3: 手順系をスキル化する
「毎週のSNS投稿」
→ 入力: 今週のトピック
→ 手順: リサーチ → 構成 → 執筆 → 画像選定
→ 出力: 投稿テキスト + 画像
→ 品質: ブランドガイドに沿っているか
Step 4: エージェントに割り当てる
SNS投稿チーム:
リサーチャー → トレンド調査
ライター → 投稿文の作成
デザイナー → 画像選定・加工
レビュアー → ブランドチェック
会社で例えると、事業計画からマニュアルを起こして、担当を決める工程。
よくある失敗パターン
1. 全部を1つに詰め込む
「何でもやってくれるAI」は、何も上手くできないAI
会社で例えると、1人で営業も経理も人事もやる社長。全部中途半端になる。
2. 指示が曖昧
「いい感じにして」では、いい感じにならない。
「適当な指示」じゃなくて 「具体的な数字」 で書く。
3. 品質基準がない
味見せずにお客さんに出す仕事に、あなたはお金を払いますか?
「どうなったらOKか」を先に決める。
ワークの前に
さあ、自分の業務で
考えてみよう。
完璧じゃなくていい。
80%で出して、走りながら直す。
会社で例えると、まず テスト版 を作ってみる感覚。
本番運用の前に、まず自分で試してみる。
ワーク説明
3ステップでAIに委ねてみる
| Step | やること | 時間の目安 |
|---|---|---|
| Step 1 | 「AIに任せたいこと」を 3つ 書く | 5分 |
| Step 2 | 1つ選んで Claude Codeに指示 する | 10分 |
| Step 3 | 出てきた結果を 味見してフィードバック | 10分 |
設計書もスキルも書かない。指示して味見するだけ。
手が止まったら「一番めんどくさい業務」を1つ言ってみて。
個人ワーク(15分)
業務を3つ → 1つ選んで設計
迷ったら:
- 「毎週やっていて、手順がだいたい決まっている業務」を選ぶ
- 「自分じゃなくてもできるのに、自分がやっている業務」を選ぶ
- 「正直、面倒だなと思っている業務」を選ぶ
完璧に書かなくていい。
まず手を動かす。それが一番大事。
個人振り返り(10分)
自分の設計を見直そう
振り返りポイント:
1. エージェントの役割は明確か?
2. 連携フローに抜け漏れはないか?
3. 人間の「味見ポイント」は設定したか?
メモに書き出す:
- 「ここが弱い」と感じたところ
- 「もっと具体的にできる」ところ
- 帰ったら最初に直したいところ
全体共有タイム
2-3組に発表してもらいます
発表フォーマット:
1. 選んだ業務は何か
2. どんなエージェントチームを設計したか
3. 人間が「味見」するポイントはどこか
聞いている方へ:
チャットで「いいね」「参考になった」を送ってください。
他の人の設計から、自分のヒントが見つかります。
Q&A
チャットに投げてくれた質問に答えます
よくある質問:
Q. AIの技術的な知識がなくても使えますか?
→ 使えます。大事なのは「業務の切り分け方」を知ること。
技術はツールが進化するので、設計思考の方が長持ちします。
Q. 自社にエンジニアがいないのですが…
→ 今日のワークで描いた設計図があれば、
外部に依頼する時も「何を作りたいか」が明確に伝わります。
Q. 既存のツール(Zapierなど)との違いは?
→ 自動化ツール = 決まったルールで動く。
エージェント連携 = AIが状況を判断して動く。組み合わせると最強です。
宿題の説明
Day1 ~ Day2の1週間でやること
3ステップだけ。
| Step | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1 | AIに任せる業務を 1つ決める | 5分 |
| 2 | Claude Codeに 指示して味見 する | 15-30分 |
| 3 | 味見メモ を書く | 10分 |
スキルもコードも書かない。指示して味見するだけ。
うまくいかなくてもOK。Day2で一緒に改善する。
宿題のポイント
ゼロから作らない
テンプレートの構造はそのまま。
自社の言葉に書き換えるだけ。
動かしてみる
うまくいかなくてもOK。
エラーが出たらメモしておく。Day2で一緒に直す。
詰まったら聞く
「どこで詰まったか」をメモしておいてください。
Day2で一緒に解決します。
テンプレート配布
以下のURLからダウンロードしてください
| テンプレート | 内容 | こんな人向け |
|---|---|---|
| A: コンテンツ制作 | リサーチ→構成→執筆→レビュー | ブログ・SNS・メルマガ |
| B: 問い合わせ対応 | 分類→回答案→品質チェック | カスタマーサポート |
| C: レポート作成 | データ収集→分析→レポート | 月次・週次レポート |
配布URL: (講座内でご案内します)
時間がない方は「テンプレートを読むだけ」でもOK。
15分あれば、Day2の準備は十分です。
Day1 おつかれさまでした!
今日持って帰るもの
1. 「委ねるOS」のマインドセット
2. 自分のAIチーム(AI秘書 + 専門家AI)を構築した経験
3. 宿題: 2週間、自分のAIチームを動かしてみる
Day2のご案内
日時: 2026年5月21日(木)20:00-21:30
テーマ: 「AIチームの品質アップをする日」
2週間動かしてきたAIチームに、品質チェックの仕組みを組み込んで、
Before/After で品質向上を実感する日です。
詰まったらメモに書いておいてください。Day2で一緒に解決します。
2週間後に会いましょう!