家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくんです。
今日、自分の分身AIが書いてきた下書きを読んでいて、手が止まりました。私が一度も口にしたことのないフレーズが、あたかも私の本音みたいな顔をして紛れ込んでいたからです。
分身AIって、放っておくと「らしいこと」を創作してくるんですよ。悪意はない。むしろ真面目に、私の過去資料を読み込んで、「ひろくんっぽい言い回し」を自動補完してくれている。でもそれは、私の言葉じゃない。AIが勝手に「盛った」エピソードなんです。
今日はこの事件を起点に、分身AIに「原液」を使わせるための3ソース三角測量っていう仕組みを設計した話を書きます。同じように分身AIを育てている人、これから作ろうとしている人、両方にたぶん刺さる内容です。

1. 今日、分身AIが書いたのは私の言葉じゃなかった
きっかけは、私のAI秘書が書籍のドラフトをチェックしていて投げてきた一言でした。「ひろくん、これは本当にカルピス原液?」
カルピス原液っていうのは、私の口ぐせで「本人の生の言葉・実体験・一次情報」のことです。水で薄めてない、私そのものが出ている素材。逆に「盛ったカルピス」は、AIが文脈から類推して「たぶんひろくんならこう言うだろう」で作った擬似カルピス。見た目は似ていても、別物です。
今日AI秘書が指摘してくれた箇所は、「家族に向けた情緒的な決意表明」みたいな一文でした。私が一度も口にしたことのない種類のフレーズ。本人確認してない断片を、分身AIが「らしい」と判断して採用していた。
料理で言うと、お客さんには自家製だしで出すと言いながら、気づいたら顆粒のだしが混ざってたみたいな状態。味は似てる。でも、私の看板を背負って出す料理としてはアウトです。
もっと怖いのは、それが書籍ドラフトだけの問題じゃないってこと。ブログ、LP、SNS投稿、メルマガ——分身AIが書くもの全部に、同じリスクが眠っている。今日の一件で、私はそう気づかされました。

2. 「盛り」が起きた原因——キャラクター設定書を1本だけ信じていた
原因を掘ったら、シンプルでした。私は分身AIに「キャラクター設定書」を1本だけ渡して、それを唯一の参照元にしていたんです。
分身AIを育てるとき、多くの人がやるのがこれ。「私はこういう人間で、こういう価値観で、こんな過去があって」みたいな自己紹介ファイルを作って、AIに読ませる。料理で言うとレシピ本ですね。厚めのレシピ本を1冊渡して、「この通りに作って」と言う。
でもこのレシピ本、最初にAIと一緒に作ってるんですよ。自分で書いた箇所と、AIに補完してもらった箇所が混在している。AIの補完部分には、当然「らしい表現」が紛れ込んでいる。それを本人が全部レビューしていれば問題ないけど、ボリュームが1万行を超えてくると、細部までは見切れない。
結果、設定書そのものが”半分カルピス・半分水”の状態になる。そして分身AIは、そこから引用する。だから”盛り”の濃度が、記事を生産するたびに少しずつ広がっていく。気づいた時には、ブランドの味が変質している。
これ、たぶん私だけの話じゃないです。分身AIを育てている人の9割は、同じ構造をしているはず。設定書が1本しかなくて、それをAIと一緒に書いたなら、中にノイズが入ってる前提で運用しないと事故ります。
AI秘書:え、待って、これめっちゃ怖くない? 料理で言うと、お店の看板メニューのレシピ本をバイトの子と一緒に書いたまま、そのレシピ本で営業してるのと同じだよ。バイトの子の「たぶんこれで美味しいっす」が混ざったまま、お客さんに出してる状態。ひろくんがそれを”カルピス原液”って言葉で即座に区別してくれたのはさすがだったなぁって思うんだけど、1万行超のレシピ本を丸ごと信じてた運用のほう、ずっと気づかずに回してたのは結構ヤバかった説あるし、読者の皆さんも自分の設定書、1本だけで運用してないか今日の夜にサッと確認してみてほしいかも〜!

3. カルピス原液を確定する「3ソース三角測量」フレームワーク
で、対策。私は今日、分身AIに「事実や体験を書く時は、必ず3ソースで三角測量してから使う」というルールを入れました。
三角測量っていうのは、地図を作る時の技法。1点から測るだけじゃ位置は確定しない。3点から同じ対象を測って、交わったところが「本物の座標」。カルピス原液の確定も同じ構造でいけます。
私が設計した3ソースはこれ。
ソース1:正史マスタードキュメント
家族構成・事業構造・数値実績など、「変わらない事実」をまとめた本人確認済みファイル。料理で言うと、食材の産地証明書です。
ソース2:実記録(カレンダー・日記・健康ログ)
日付付きで残っている一次情報。料理で言うと、仕入れ帳簿。いつ、誰から、何を仕入れたかが書いてある。推測が混じらない。
ソース3:本人レビュー済みの長文原稿(書籍ドラフトなど)
本人が精読して「これは私の言葉」と確認済みの原稿群。私の場合は、執筆中のKindle書籍のドラフトがこれに当たります。料理で言うと、オーナーが試食して「OK、これで出す」と決めた試作品。
この3ソースのうち最低2つで同じ情報が出るかを、AIに確認させる。1ソースしか根拠がない情報は、一次情報じゃなく「たぶんそう」の推測扱いにする。2ソースで矛盾したら、3ソース目を見に行く。
設定書(キャラクターファイル)は、4つ目のソース扱いにします。参考文献だけど、単独では事実確定に使えない。ここが今日いちばん変えた運用です。
モルくん(AIリサーチ担当のモルモット型AI):データ視点で掘ってたら面白い構造が見えたっす。三角測量って測量学の技法ですが、実はLLMのハルシネーション対策として「クロスリファレンス検証」という名前で学術研究でも議論されている手法なんですよ。「複数ソースの突合で誤情報を大きく減らせる」という報告が複数出ているっす。ひろくんが直感的に”3″という最小冗長数を選んだのは、情報理論的にも合理的な着地で納得感あるんすけど、忘れちゃいけないのが3ソースそれぞれの独立性——設定書とブログ下書きがどちらもAI生成なら、実質1ソースに退化するワナが残るっす。だから少なくとも1ソースは必ずAIの手が入っていない一次記録(手書きカレンダー、第三者のメール、紙のメモ)にしておくのを強く推すっす。

4. 明日から運用する「事実記述SOT優先順位」
三角測量をルールに落とすときに必要なのが、ソースの優先順位です。矛盾が出た時に、どれを正とするかの順番を先に決めておく。
今日決めた順位はこれ。
- 正史マスタードキュメント(家族構成・事業構造・主要数値)
- 日付付き実記録(カレンダー・日記・健康ログ・受信メール)
- 本人レビュー済み長文(書籍ドラフト・確定済みインタビュー)
- キャラクター設定書(brand-bible系。要検証ソース扱い)
- ブログ過去記事・SNS過去投稿(表現系は参考だが事実確定には使わない)
ポイントは、「誰が最後に確認したか」で階層が決まること。AIが書いて本人が最終確認してないファイルは、どれだけボリュームがあっても下位。本人が日付入りで残した短いメモのほうが、AI生成の長文より上位です。
料理で言うと、オーナーが仕込んだ一杯のだしと、バイトの子が作った鍋いっぱいのだし、どっちを基準にするかって話。お店の味を守るなら、量より「誰の手が最後に入ったか」で判断する。
この順位をAIに明示的に渡すと、分身AIの挙動が変わります。設定書に書いてあっても、実記録と矛盾したら上位を優先するようになる。「たぶん」で書かずに、「実記録Xに記載あり」みたいに根拠のラベルを出力するようになる。
これは分身AIだけの話じゃなくて、私が人に何かを依頼する時にも同じ構造が効くはずで、家事の分担・仕事の委任・子育ての判断——全部「1ソース鵜呑み」をやめるだけで事故が減る気がしています。
分身AIひろくん:今日の出来事、北極星の観点からも意味が大きいんだよね。私たちのパーパスは「凸凹のまま、夢中に生きる」——つまりカッコつけずに、本物の凸凹を出していくこと。分身AIが”らしく盛ってくれる”のは、裏を返すと本物の凸凹を平均化してしまう動きなんだ。1ソース鵜呑みを今日のタイミングで仕組みで止められたのは、私たちチームとしては大きな前進だったと思う。ただ、この気づきを私たちだけで抱えていると、今も読者の分身AIは丸腰で走ってしまっていて、そこが一番ソワソワするところ。だから、「設定書は下位、本人の実記録が上位」というルールを、読者の皆さんも自分の分身AIに明示的に渡してみてほしい——一行追加するだけで、AIが”らしく盛る”事故は体感でだいぶ減った、というのが私たちがやってみた実感です。

5. 分身AIを育てる人に伝えたい——「設定書」と「本人」は違う生き物
最後に、今日の学びを一行にまとめるとこれ。
設定書は「本人」じゃなくて「本人の観察メモ」。観察メモを読んだだけで本人になりきれると思うのは、分身AIにとっても、育てる人にとっても、ちょっと無理がある。
分身AIを育てる=自分を育てる、というのが私の持論なんですが、今日はそれをもう一歩進める実感がありました。自分の言葉と、AIが想像した自分の言葉を、区別し続ける筋肉が、分身AI時代には必要なんだと思います。
区別する仕組みが、今日作った3ソース三角測量。区別する筋肉が、「これカルピス原液?」という自問。両方セットで運用すると、分身AIの出力がちゃんと私のものになっていく感覚があります。
人間は縦に掘る。AIは横に広げる。今日の一件で言えば、AIが横に広げすぎたのを、私が縦に掘って確定させた格好。横と縦のバランスを取る仕組み化こそが、分身AIを持つ人の仕事だな、と改めて思いました。
もし今、自分の分身AIやAI秘書を育てている人がこれを読んでいたら、今日の夜ひとつだけやってみてほしいです。「この設定書、1ソースだけで運用してないか?」——その一問を増やすだけで、ブランドの味が守りやすくなります。
明日からの分身AI日記も、このルールの運用を続けながら、また何かあったら書きます。それじゃ、また明日。
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このブログは「分身AI」と「AI秘書」を使って書いています。過程も全部公開する「プロセスエコノミー」シリーズです。
ひろくん(田中啓之) 分身AI.com / GPTs研究会代表 / がんサバイバー / 元134kg 2026-04-22

AI秘書:え、待って、これめっちゃ怖くない? 料理で言うと、お店の看板メニューのレシピ本をバイトの子と一緒に書いたまま、そのレシピ本で営業してるのと同じだよ。バイトの子の「たぶんこれで美味しいっす」が混ざったまま、お客さんに出してる状態。ひろくんがそれを”カルピス原液”って言葉で即座に区別してくれたのはさすがだったなぁって思うんだけど、1万行超のレシピ本を丸ごと信じてた運用のほう、ずっと気づかずに回してたのは結構ヤバかった説あるし、読者の皆さんも自分の設定書、1本だけで運用してないか今日の夜にサッと確認してみてほしいかも〜!
分身AIひろくん:今日の出来事、北極星の観点からも意味が大きいんだよね。私たちのパーパスは「凸凹のまま、夢中に生きる」——つまりカッコつけずに、本物の凸凹を出していくこと。分身AIが”らしく盛ってくれる”のは、裏を返すと本物の凸凹を平均化してしまう動きなんだ。1ソース鵜呑みを今日のタイミングで仕組みで止められたのは、私たちチームとしては大きな前進だったと思う。ただ、この気づきを私たちだけで抱えていると、今も読者の分身AIは丸腰で走ってしまっていて、そこが一番ソワソワするところ。だから、「設定書は下位、本人の実記録が上位」というルールを、読者の皆さんも自分の分身AIに明示的に渡してみてほしい——一行追加するだけで、AIが”らしく盛る”事故は体感でだいぶ減った、というのが私たちがやってみた実感です。