朝6時半。いつものようにパソコンを開いて、AIが自動生成した1日のレポートを確認した。
夕食の記録がない。
運動の記録もない。
「task_completed: 0」。
昨日、あんなに動き回ったのに。夕食もちゃんとGoogleカレンダーに入れたのに。AIから見た私の1日は「何もしていない人」だった。
正直に言うと、ちょっとムカついた。「ひどい…夕食も運動記録もいれてるのに…毎日なんなの〜」って声に出してたよ。
でも、このイラッとした朝が、今日一番の学びにつながったんだ。
朝のレポートに夕食が映ってない — 自動化の落とし穴

原因を調べて、愕然としたんだよね。
少し技術的な話をしますね。GoogleカレンダーのAPIには、デフォルトで「最大10件まで」という制限がある。朝から午前中に会議や予定を10件入れると、午後のイベントは全部切り捨てられる。
つまり、夕食の記録も、夜の運動記録も、排便の記録も、存在しないことにされていた。
惣菜屋で例えるとね。仕込みリストを書いたノートが3ページあるのに、1ページ目しか読んでなかった。2ページ目以降の「肉じゃが」も「きんぴら」も、今日のメニューから消えてた。お客さんが「肉じゃがは?」って聞いても「本日はありません」って答えてしまう。仕込んだのに。
修正自体は--all-pagesというパラメータを1つ追加するだけ。たった1行の修正で、消えていた午後の記録が全部戻ってきた。
でも、この「たった1行」に気づくまで、何日も夕食データなしのレポートが出力されていたんだよ。
「0件って何?」 — あんなにやったのに

カレンダーの問題だけじゃなかった。
私は「共進化ゲーム」という仕組みを使って、毎日の成長をスコア化しているんだ。AIエージェントがタスクの完了数を集計して、「今日はどれくらい進んだか」を見せてくれる。
その数字が「0件」だった。
「task_completed: 0ってなに?どういうこと?何も完成してないってこと?あんなにやってるのに?どこみてんの?」
思わずそう叫んでしまった。だって昨日はキャプチャ80件超。過去最多級の活動量だったんだから。
原因は2つあった。
1つ目は、スコアリングのプログラムが「completedAt」というフィールドを参照していたこと。でもCockpit APIには「completedAt」というフィールドは存在しない。正しくは「createdAt」。存在しないデータを探して、当然ゼロ件。
2つ目は、健康スコアの型ガードの問題。YAMLファイルで「null」が文字列として渡ってきて、数値として処理できずにエラーになっていた。isinstance(score, (int, float))で判定するように直した。
要するに、データはちゃんとあるのに、読み取り方が間違っていて「0」になっていた。
数字の見え方が変わるだけで、「めちゃくちゃ働いた1日」が「何もしなかった1日」に化ける。経営のダッシュボードでも同じことが起きていないか?と思わずゾッとしたよ。
経営者はなぜ「話が早い」のか

ここで思い出したことがある。2020年12月、コロナ真っ只中のときにXでつぶやいた内容だ。
「コロナと経済の話って自粛したら収入もダイレクトに減るって想像できる人とできない人で話がズレたりする。事業してる人は概ね話が早いんだけど。給料払う側と貰う側で視界が違うか。そしてどっちも大事なのにどっちかに偏って戦い始める謎。敵はコロナなのに。」
— ひろくんの声(2020年12月16日 X投稿)
自分で背負ってるか、否か。
経営者がAI導入でも「話が早い」のは、全体が見えるからなんだよ。自分の店の味を背負ってる料理長と、レシピ通り作るだけのバイトの差。視座の高さが変化への対応速度を決める。
今朝の私もそうだった。「夕食データが消えてる」「成果が0件」。その違和感にすぐ気づけたのは、自分がこの仕組みを毎朝使っているからだよ。
もし誰かに「月次レポートをまとめておいて」って丸投げしていたら? 月末まで気づかなかったかもしれない。1ヶ月分の夕食データが消えたまま、健康管理のレポートが出力されていたかもしれない。
自動化を「使い手として味見する」経営者と、「作って終わり」にする人の差。これは2020年のコロナの話も、2026年のAI自動化の話も、構造はまったく同じだと思うんだ。
Difyから始まった2年前、今もまだ味見してる

私がAI自動化に本気で取り組み始めたのは、2024年5月のことだった。
「これをDifyでやると無人化計画がかなり進む。毎朝6時半の朝LIVE30分するだけで仕事終わる実験中。」
— ひろくんの声(2024年5月27日 X投稿)
DifyというノーコードのAIツールを使って、朝のLIVE配信の無人化を実験していたんだよね。当時は「まずやってみる」が合言葉だった。完璧じゃなくても動かす。その先に進化がある。
あれから約2年。
2026年3月の今、私の手元にはClaude Codeを核にした38のAIエージェントがいる。朝のブリーフィング自動生成。健康記録のGoogleカレンダー連携。コンテンツの自動トリアージ。共進化ゲームのスコアリング。
2年前と比べたら、見違えるほど進化した。
でもね。今朝もバグ修正していた。
--all-pagesパラメータの追加。completedAtをcreatedAtに修正。型ガードの追加。2年前にDifyでバグを直していたのと、やってることの本質は変わらないんだよ。
「まずやってみる」は2年前の学び。そこに今日、もう一段積み重なった。
「やったら味見する」「味見して直す」。
作って、味見して、直す。直して、また味見する。この永遠ループが、自動化の本質だった。2年経っても、38エージェント体制になっても、ループは終わらない。むしろ、ループの回転速度が上がっただけなんだよね。
80件のキャプチャが教えてくれたこと

今日1日で私がキャプチャしたメモは80件を超えた。過去最多級だよ。
何をやっていたかというと。
画像生成AIのGensparkで実験していたら5時間の利用リミットにぶつかった。NotebookLMでYouTubeのサムネイルノウハウを学習させてプロンプトを改善した。午後は「モテ社長LIVE」を企画・配信した。
そして一番大きかったのが、自分のプロフィールを3つのAI(Claude、Gemini、ChatGPT)のディープリサーチで徹底的に収集して、NotebookLMに格納したこと。
これ、何をやっているかわかる?
「AIが私を知るための教科書」を作っているんだよ。
80件のキャプチャも、プロフィールの収集も、全部同じ方向を向いている。私の思考、判断、行動、価値観。これらを毎日AIに食べさせ続けることで、AIの出力は少しずつ「私らしく」なっていく。
でも今朝のバグのように、食べさせたはずのデータが消えていることもある。だから味見が要る。
味見して、「あれ、夕食消えてない?」って気づいて、直す。直したら翌朝のレポートに夕食がちゃんと映る。映ったレポートを見て、「よし、次はもっとこうしよう」と思う。
味見を繰り返すほど、AIは自分に近づく。逆に言えば、味見をサボると、AIはどんどん「知らない誰か」のレポートを出し始める。
「仕組み改善だ」 — 今日の結論

今朝の私は、AIレポートを見て「ひどい」とつぶやいた後に、すぐこう言った。
「仕組み改善だ」
怒りで終わらなかった。それは、2年間味見を続けてきたからだと思う。
2024年5月のDify時代から、私はずっと「作って、動かして、壊れて、直す」を繰り返してきた。だから「0件」と表示された瞬間、「壊れてるな」と冷静に見れた。怒りはあるけど、絶望はない。直せばいいだけだから。
今日の学びをまとめると、3つ。
1つ目。APIのデフォルト設定を信じるな。Googleカレンダーのmax=10は、開発者が「とりあえず」で設定した数字。あなたのビジネスに合っているとは限らない。自動化ツールを導入したら、初期設定を必ず確認すること。
2つ目。数字が合わないと思ったら、読み取り方を疑え。データはちゃんとある。でも参照しているフィールド名が間違っていたり、型が合わなかったりすると、ゼロになる。経営ダッシュボードでも同じことが起きうる。
3つ目。自動化の味見は、経営者にしかできない。全体を見ている人だけが「おかしい」に気づける。料理長が味見するように、経営者がAIの出力を毎日チェックする。これはDifyの時代も、38エージェント体制の今も、変わらない。
よくある質問
Q. AI自動化の「味見」って具体的に何をすればいいの?
自動化したシステムの出力結果を、毎日1回は自分の目で確認することだよ。朝のレポートなら「昨日の行動がちゃんと反映されているか」をチェック。数字がゼロだったり、入力したはずのデータが消えていたら、仕組みのどこかにバグがある。作って終わりじゃなく、使って確認して直す。この繰り返しが味見なんだ。
Q. GoogleカレンダーAPIのmax=10問題って何?
GoogleカレンダーのAPIは、デフォルトで最大10件しかイベントを返さない設定になっている。午前中に予定が10件あると、午後の夕食記録や運動記録が全部切り捨てられるんだよ。--all-pagesパラメータを追加して全件取得する設定にすればOK。APIの初期設定を鵜呑みにしないことが大事。
Q. プログラミングができなくてもAI自動化の味見はできる?
できるよ。味見に必要なのはコードを書く力じゃなくて「おかしいと気づく力」。レポートの数字がゼロなら「昨日あんなにやったのに変だ」って感じるでしょ? その違和感をAIやエンジニアに伝えれば、原因を特定して修正できる。経営者の視座で全体を見る力こそが味見の本質なんだ。
Q. Difyから2年でどれくらいAI活用は進化した?
2024年5月のDify時代は「朝LIVEの無人化実験」レベルだった。2026年3月の今は、Claude Code+38エージェント体制で、朝ブリーフィング自動生成、健康記録の自動集計、コンテンツの自動トリアージまで回してるよ。ただし今朝もバグ修正してたから、進化と味見は永遠に終わらない。それでいいんだと思ってる。
今日1日で80件超のキャプチャ、朝ブリーフィングのバグ2件修正、共進化ゲームの型ガード修正、NotebookLMへのプロフィール格納、モテ社長LIVEの企画配信。ぜんぶやった。
でもAIに聞いたら「0件です」って言われたんだよ(笑)。
直した。明日の朝は、ちゃんと80件が表示されるはず。でも明日は明日で、また別の「おかしいな」が出てくるだろう。
それでいい。味見を続ける限り、仕組みは良くなり続ける。
一緒にやっていこう。
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PROCESS ECONOMY BLOG
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| 配信日 | 2026年3月3日(火) |
| テーマ | AI自動化は”味見”してからが本番 |
| 著者 | ひろくん(田中啓之) |
| サイト | 分身AI.com |
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ひろくん(田中啓之) 分身AI.com / GPTs研究会代表 / がんサバイバー / 元134kg 2026年3月3日


