A2A x エージェント x スキル
AIチームを自分の手で作る
田中啓之 x WACA
エキスパート講座 Day1
今日のゴール
帰ったらすぐ動かせる
エージェント設計図を
持って帰る
グラウンドルール
1. 質問はチャットにいつでもOK
2. 正解はない。自社に合う形を探す
3. 80%で出す。完璧を求めない
4. 走りながら直す。それでいい
AI活用の3段階
Stage 1 Stage 2 Stage 3
┌─────────┐ ┌─────────┐ ┌─────────────┐
│ 聞く │ → │ 使う │ → │ チームで │
│ │ │ │ │ 動かす │
│ ChatGPT │ │ 自動化 │ │ A2A │
│ に質問 │ │ ツール │ │ エージェント│
└─────────┘ └─────────┘ └─────────────┘
2023~ 2024~ 2025~
今日話すのは Stage 3。
AIが「チーム」として動く世界。
1人でフルコース作ってない?
料理で考えてみてください。
| 1人シェフの厨房 | 専門チームの厨房 |
|---|---|
| 前菜も自分 | 前菜担当がいる |
| メインも自分 | 肉担当・魚担当がいる |
| デザートも自分 | パティシエがいる |
| 皿洗いも自分 | 洗い場担当がいる |
| → 疲弊する | → 味に集中できる |
AI活用も同じ。
1つのAIに全部やらせていませんか?
A2A = AIがAIに仕事を振る
Agent to Agent Protocol(Google発表 / 2025年4月)
┌──────────────────────────────────────┐
│ 従来: 人間 → AI(1対1の会話) │
│ │
│ A2A: 人間 → AI → AI → AI(チーム) │
└──────────────────────────────────────┘
従来のAPI連携との違い:
- API連携 = 決まった形式でデータをやり取り
- A2A = AIが自分で判断して、別のAIに仕事を投げる
Agent Card = エージェントの名刺
各エージェントが「自分は何ができるか」を宣言する。
{
"name": "リサーチ担当",
"description": "キーワード調査と競合分析",
"skills": [
"search-keywords",
"analyze-competitors"
],
"input": "テーマ名",
"output": "調査レポート"
}
料理で言うと、名札。
「私は肉料理専門です」と厨房に立つ前に伝える。
Task = 仕事の受け渡し
エージェント間で「仕事」がリレーされる。
┌──────────┐ Task ┌──────────┐ Task ┌──────────┐
│ マスター │ --------> │ リサーチ │ --------> │ ライター │
│ (指揮者) │ <-------- │ 担当 │ │ 担当 │
└──────────┘ 結果 └──────────┘ └──────────┘
│ │
│ Task(レビュー依頼) │
│ ┌──────────┐ │
└-------> │ 品質 │ <----------------------┘
│ チェック │ Task(原稿)
└──────────┘
1つの仕事が、専門家の手を渡り歩く。
通信フロー全体像
クライアント サーバー
(仕事を出す側) (仕事を受ける側)
1. Agent Card を発見 → Agent Card を公開
2. Task を送信 → Task を受け取る
3. (処理中...) 内部で作業実行
4. ← 進捗を通知
5. ← 成果物を返す
6. 成果物を受け取る
ポイント: 人間が間に入らなくても回る。
人間は最初の指示と、最後の味見だけ。
なぜ今エージェント間連携なのか
AIが賢くなっても、ボトルネックは変わらない。
それは 「人間の指示出し」
- AIが速くなった → 指示を出す人間が追いつかない
- タスクが増えた → 人間の判断待ちで渋滞する
- 品質を上げたい → 人間がチェックしきれない
解決策: AIがAIに指示を出せばいい。
人間は「方向決め」と「味見」に集中する。
僕のチーム紹介
実際に今、僕の仕事を回しているAIチーム。
┌───────────┐
│ ひろくん │ 方向決め + 味見
│ (シェフ) │
└─────┬─────┘
│
┌────────────┼────────────┐
▼ ▼ ▼
┌─────────┐ ┌─────────┐ ┌─────────┐
│ 凛 │ │ Codex │ │ 分身AI │
│ (秘書) │ │ (開発) │ │ (判断) │
│ 段取り │ │ コード │ │ 価値観 │
│ 品質管理│ │ 実装 │ │ チェック│
└─────────┘ └─────────┘ └─────────┘
僕がやるのは「こっちの方向で行こう」と「これでOK」だけ。
「委ねるOS」への書き換え
| 抱え込みOS | 委ねるOS | |
|---|---|---|
| 口グセ | 「自分でやった方が早い」 | 「任せて、味見する」 |
| 判断 | 全部自分で決める | 方向だけ決めて委ねる |
| 品質 | 自分が見ないと不安 | 基準を決めてチェック |
| 結果 | 自分がボトルネック | チームで回る |
| 体調 | 倒れたら全部止まる | 倒れても回る仕組み |
料理で言うと、
「全部自分で作る料理人」から「厨房を設計するオーナーシェフ」へ。
ライブデモ: AIチームが動く瞬間
これからClaude Codeに切り替えます。
見てほしいポイント:
1. 人間の指示は 1行だけ
2. エージェントが 自動で分担 して動く
3. 人間がやるのは 味見だけ
料理で言うと、「カレー作って」と言ったら
買い出し・仕込み・調理・盛り付けが全部動き出す感じ。
スキル = エージェントのレシピ
エージェントは「何でもできる人」じゃない。
レシピ(SKILL.md)があるから、再現性のある仕事ができる。
料理のレシピ SKILL.md
───────────── ──────────────
材料リスト → 入力(何をもらう)
完成写真 → 出力(何を返す)
調理手順 → 手順(ステップ)
味の基準 → 品質基準(OKライン)
レシピがなければ、毎回味が変わる。
スキルがなければ、毎回出力が変わる。
SKILL.md の4要素
1. 入力 — 何をもらうか
テーマ名、キーワード、参考URL…
2. 出力 — 何を返すか
記事本文、レポート、チェック結果…
3. 手順 — どう作るか
Step 1: 調査 → Step 2: 構成 → Step 3: 執筆…
4. 品質基準 — どうなったらOKか
文字数3000字以上、ファクトチェック済み、見出し5個以上…
この4つが揃えば、誰が(どのAIが)やっても同じ品質になる。
業務の切り分け方 Step 1-2
Step 1: 業務を書き出す
今やっている仕事を、とにかく全部並べる。
Step 2: 「判断」と「手順」に仕分ける
┌─────────────────────────────────────────────┐
│ あなたの業務一覧 │
├─────────────────┬───────────────────────────┤
│ 判断が必要 │ 手順で回る │
│ (人間の仕事) │ (スキル化の候補) │
├─────────────────┼───────────────────────────┤
│ 新規事業の方向性│ 毎週のSNS投稿 │
│ 価格の決定 │ 問い合わせの一次対応 │
│ 採用の最終判断 │ 月次レポートの作成 │
│ クレーム対応方針│ 競合の定期チェック │
└─────────────────┴───────────────────────────┘
右側がAIチームに委ねられる領域。
業務の切り分け方 Step 3-4
Step 3: 手順系をスキル化する
「毎週のSNS投稿」
→ 入力: 今週のトピック
→ 手順: リサーチ → 構成 → 執筆 → 画像選定
→ 出力: 投稿テキスト + 画像
→ 品質: ブランドガイドに沿っているか
Step 4: エージェントに割り当てる
SNS投稿チーム:
リサーチャー → トレンド調査
ライター → 投稿文の作成
デザイナー → 画像選定・加工
レビュアー → ブランドチェック
料理で言うと、メニューからレシピを起こして、担当を決める工程。
よくある失敗パターン
1. 全部を1つに詰め込む
「何でもやってくれるAI」は、何も上手くできないAI
料理で言うと、1人で和洋中全部やる店。味がブレる。
2. 指示が曖昧
「いい感じにして」では、いい感じにならない。
「塩少々」じゃなくて 「塩3g」 と書く。
3. 品質基準がない
味見せずにお客さんに出す料理屋に、あなたは行きますか?
「どうなったらOKか」を先に決める。
ワークの前に
さあ、自分の業務で
考えてみよう。
完璧じゃなくていい。
80%で出して、走りながら直す。
料理で言うと、まず まかない を作ってみる感覚。
お客さんに出す前に、まず自分で食べてみる。
ワーク説明
3ステップで設計図を描きます
| Step | やること | 時間の目安 |
|---|---|---|
| Step 1 | 繰り返しやっている業務を 3つ 書く | 3分 |
| Step 2 | 1つ選んで エージェントチーム を設計 | 7分 |
| Step 3 | そのチームに必要な スキル を1つ書く | 5分 |
ワークシートに記入してください。
手が止まったら「まず業務を1つ書く」ところから。
個人ワーク(15分)
業務を3つ → 1つ選んで設計
迷ったら:
- 「毎週やっていて、手順がだいたい決まっている業務」を選ぶ
- 「自分じゃなくてもできるのに、自分がやっている業務」を選ぶ
- 「正直、面倒だなと思っている業務」を選ぶ
完璧に書かなくていい。
まず手を動かす。それが一番大事。
ペア共有(10分)
ブレイクアウトルームで2人1組
共有フォーマット:
1. 選んだ業務(30秒)
2. エージェントチームの構成(1分)
3. こだわったポイント / 迷ったポイント(1分)
聞く側のポイント:
- 「ここ、もうちょっと具体的だと良さそう」
- 「この役割、分けた方がいいかも」
- 「いいね!」も立派なフィードバック
全体共有タイム
2-3組に発表してもらいます
発表フォーマット:
1. 選んだ業務は何か
2. どんなエージェントチームを設計したか
3. 人間が「味見」するポイントはどこか
聞いている方へ:
チャットで「いいね」「参考になった」を送ってください。
他の人の設計から、自分のヒントが見つかります。
Q&A
チャットに投げてくれた質問に答えます
よくある質問:
Q. AIの技術的な知識がなくても使えますか?
→ 使えます。大事なのは「業務の切り分け方」を知ること。
技術はツールが進化するので、設計思考の方が長持ちします。
Q. 自社にエンジニアがいないのですが…
→ 今日のワークで描いた設計図があれば、
外部に依頼する時も「何を作りたいか」が明確に伝わります。
Q. 既存のツール(Zapierなど)との違いは?
→ 自動化ツール = 決まったルールで動く。
A2A = AIが状況を判断して動く。組み合わせると最強です。
宿題の説明
Day1 ~ Day2の1週間でやること
3ステップだけ。
| Step | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1 | テンプレートを 1つ選ぶ | 10分 |
| 2 | 3箇所だけ 自社用に書き換える | 30-60分 |
| 3 | 1回だけ 動かしてみる | 15-30分 |
テンプレートは3種類。迷ったらAを。
A: コンテンツ制作 / B: 問い合わせ対応 / C: レポート作成
宿題のポイント
ゼロから作らない
テンプレートの構造はそのまま。
自社の言葉に書き換えるだけ。
動かしてみる
うまくいかなくてもOK。
エラーが出たらメモしておく。Day2で一緒に直す。
詰まったら聞く
質問チャネルにいつでも投げてください。
「こんな質問していいのかな」も全部歓迎。
テンプレート配布
以下のURLからダウンロードしてください
| テンプレート | 内容 | こんな人向け |
|---|---|---|
| A: コンテンツ制作 | リサーチ→構成→執筆→レビュー | ブログ・SNS・メルマガ |
| B: 問い合わせ対応 | 分類→回答案→品質チェック | カスタマーサポート |
| C: レポート作成 | データ収集→分析→レポート | 月次・週次レポート |
配布URL: (講座内でご案内します)
時間がない方は「テンプレートを読むだけ」でもOK。
15分あれば、Day2の準備は十分です。
Day1 おつかれさまでした!
今日持って帰るもの
1. A2Aプロトコルの基本概念
2. 自社エージェントチームの設計図
3. テンプレート(宿題用)
Day2のご案内
日時: (別途ご案内します)
1週間後、カスタマイズした成果を持ち寄って、さらに磨きます。
質問はいつでも質問チャネルへ。
1週間後に会いましょう!