あなたの分身AIがAI臭い文章を書く理由と、人間の言葉に戻す方法

家事と子育てのスキマで経営する3方よしAI共創コンサルタントの田中啓之、ひろくんです。

最近、こんな声をよく聞く。「AIに書いてもらったのに、どこかよそよそしい。自分の記事じゃない感じがして、結局全部直してる」って。

わかる。私も最初はそうだった。

AIが生成した文章を読むと、何かが引っかかるんだよね。言葉は並んでるし、内容もそれなりに正確なんだけど、「この文章、私が書いた感じがしない」という違和感が消えない。で、直し始めると結局30分かかって、「これなら自分で書いたほうが早かった」ってなる。

その違和感の正体、ちゃんとした名前がついた。

AI臭いという違和感の正体

「AI臭い文章」を解剖したルール集が公開された

AI臭い文章を解剖したルール集が公開された

2026年6月、技術書出版社ラムダノートの代表・鹿野桂一郎さんが、GitHubに「japanese-tech-writing」というスキルを公開した。

鹿野さんは、技術書をずっと作り続けてきた編集のプロだ。その人が、「AIに書かせると何がいけないか」を、整形・論証の構成・LLMっぽい表現の禁止・冗長の排除など9つほどのセクションに分けて、具体的な禁止パターン付きでまとめたもの。

読んだ瞬間、「これ、うちの分身AIひろくんに今すぐ食わせたい」と思った。

そして同時に気づいた。これは分身AIだけの問題じゃない。多くの人がAIに書かせた文章をそのまま出してしまっているから、「どこのブログを読んでも同じ雰囲気」という現象が起きている、と。

AI臭くなる7つの犯人

AI臭くなる7つの犯人

鹿野さんのルール集の中でも、特に「これだ!」と思ったのが「LLMっぽい表現の禁止」カテゴリだ。

AIが生成した文章に繰り返し登場するパターンだ。その中から、私が「これ、よく出くわすな」と思うものを7つに整理してみる。

無意味な予告と総括。「本記事では〜を解説します」「まとめると」「要するに」。AIはまず「これから何をするか」を宣言し、最後に「何をしたか」を復唱する習慣がある。でもそれ、読み手にとって必要? 内容が良ければ予告はいらないし、読み終えた人への総括は蛇足だ。

空虚な形容詞。「不可欠」「核心的」「多角的」「包括的」「鍵となる」「根本的な」。これ、全部同じ意味で使われてる。「非常に重要」も「極めて重要」も「とても重要」も、「重要」から何も情報を追加していない。

勿体ぶった動詞。「深掘りする」「言語化する」「向き合う」「触れる」「正面から扱う」。これらを使う代わりに「分析する」「書く」「説明する」とシンプルに言えばいい。「深掘り」という言葉を使うことで、何かを深く掘った気になっているだけだ。

「さらに」の連打。「また」「加えて」「さらに」「そして」を段落の冒頭に連続して使うと、論理のつながりがあるように見えて実は並べているだけになる。本当の論理関係は「だから」「しかし」「ただし」という言葉が担う。

根拠なき弱化表現。「〜と言えるだろう」「〜かもしれない」「〜と考えられる」。AIは断言を避けるために確率的な語尾を多用する。でも根拠があるなら言い切れ、根拠がないなら「検討が必要」と明示しろ、というのが鹿野さんのスタンスだ。

意味のない強調。「非常に」「極めて」「特に重要な」。これ、削っても文の意味は変わらない。変わらないなら不要だ。

冗長な繰り返し。同じ主張を言い換えてもう一度言う。AIは字数を埋めるために言い換えを使いがちで、読んでいると「さっきも聞いた」という疲労感が積み重なっていく。

ここまで読んで、心当たりはないだろうか。というか、私はある。過去に自分でも全部やってた。

「Before / After」で実際に直してみる

Before/Afterで実際に直してみる

理論だけ語って終わるのは私の流儀じゃないから、実際に直す。

うちの分身AIひろくんが生成した文章(実際の失敗例)と、ルールで手を入れた後の文章を並べる。


【Case 1:予告と強調の除去】

Before(AI臭い):

本記事では、分身AIを活用するための重要なポイントを多角的に解説します。特に重要なのは、プロンプトの質が、非常に大きな影響を与えるという点です。この核心的な考え方を正面から扱うことで、あなたのAI活用が根本的に変わるでしょう。

After(ルールで直した):

分身AIは、プロンプトの質で出力が変わる。「何でも聞けばいい」という段階から「どう聞くか」を設計する段階に移ると、生成物の精度が別物になる。

Before は57文字かけて「プロンプトが重要」という情報しか伝えていない。After は40文字で同じ内容に加えて「設計」という具体的な動作と「別物になる」という結果まで伝えている。削った表現が空虚だったから、減らして情報密度が上がった。


【Case 2:因果のメカニズムを入れる】

Before(AI臭い):

AIに自分の文体を学習させると、よりパーソナライズされた出力が得られると言えるでしょう。また、継続的に使うことで、さらに精度が向上するかもしれません。

After(ルールで直した):

AIに自分の過去記事を読ませると、語尾の癖や話題の展開パターンを真似し始める。なぜかというと、AIは与えられた文章の統計的な傾向を学習し、次の単語を選ぶ時にその傾向を参照するからだ。「なんとなく自分っぽい」が「確かに自分だ」に変わるのは、そのためだよ。

Beforeは「学習させると精度が上がる」という結果だけ言っている。Afterは「なぜそうなるか」という機構を入れた。鹿野さんのルールで最も印象的だったのがここで、「因果はメカニズムを示せ」という一文だ。結果だけ書くのはAIが得意で、人間の文章はメカニズムを説明するからこそ信頼される。


「分身AIを育てる=自分が育つ」はここにも効く

分身AIを育てる=自分が育つはここにも効く

このルール集を読んで最初に思ったのは、「自分の分身AIに食わせよう」だった。でも実際に手を動かしてみると、もう一つ気づいた。

このルールを分身AIに仕込む作業を通じて、自分が「AI臭い文章」を認識できるようになっていた。

料理に例えると、こういうことだ。レシピを覚えるのと、味が分かるのは別のスキルだよね。レシピを書けても、食べて「塩が足りない」と分かる舌がなければ味見ができない。鹿野さんのルールを読むのは、AI文章に対する「味見の舌」を鍛えることだった。

分身AIひろくんに今回のルールを組み込んだ後、生成物のチェックが3倍速くなった。「これ、さらにって始まってる段落が3つ連続してる」「ここ、まとめると、って出てくるけど前段落からの繰り返しじゃん」と、パターンで引っかかるようになったから。

分身AIを育てる作業は、自分の言語感覚を鍛える作業と表裏一体だ。これを「分身AIを育てる=自分が育つ」と言わずに何という、という話だよね。

実際の仕込み方:プロンプトに「禁止リスト」を入れる

実際の仕込み方:プロンプトに禁止リストを入れる

具体的にどうやって分身AIに仕込むか、書く。

鹿野さんのスキルはそのままコピーしてシステムプロンプトに入れられる形式で書かれている。ただ、全部を一度に入れると分身AIが迷子になる。私がやったのは、まず「LLMっぽい表現の禁止」カテゴリだけを先に入れること。

禁止リストを具体的に伝える。「予告と総括を書くな(『本記事では〜』『まとめると』禁止)」「形容詞『重要』に副詞をつけるな(非常に重要、極めて重要、特に重要、全部NG)」「文末を『〜だろう』で濁すな、根拠があれば言い切れ、なければ条件を明示しろ」。

これを入れた直後から、分身AIひろくんの生成文章が変わった。「本記事では」が消え、「非常に」が消え、「さらに」の連打が消えた。代わりに「なぜかというと」が増えて、因果のつながりが出てきた。

「禁止リストを入れるだけで変わるの?」と思うかもしれないけど、変わる。AIは「やるな」と明示された表現を、学習の中で自然と避けるようになる。

次に「段落は一トピック、段落冒頭で内容を特定せよ」を加えた。これで構成のズレも減った。

一気に全部を仕込もうとしない。さっきの7つのパターンを一つずつ試して、出力を確認して、また次を入れる。その繰り返しで、分身AIの文章が「どこか読んだことある感じ」から「ひろくんが書いた感じ」に変わっていく。

技術書づくりのプロが積み上げた感覚を、無料で使える

技術書づくりのプロが積み上げた感覚を、無料で使える

鹿野さんのルール集は、Unlicenseで公開されている。著作権の主張なし、商用利用も改変も自由だ。

これ、すごいことだよ。長年、技術書を作り続けてきた人が「日本語の文章がここで崩れる」と感じてきた経験が、ルールとして言語化されて、無料で使える。

「分身AIに食わせるスキル」として以上に、自分自身の「ライティング基準」として持っておく価値がある。発信を続けているコーチ、講師、コンサルタントの人たちに特に読んでほしい。なぜかというと、この業種の人たちは言葉が商売道具だから。AIに書かせた文章がAI臭いままでは、自分のブランドが「どこにでもある量産コンテンツ」と同じ棚に並んでしまう。

文章の個性は、どう書くかだけじゃなく、何を書かないかで決まる。

3行でまとめると

いや待って、「まとめると」って今まさに禁止したばかりだね。でも構成上あえて使う、というのも一つの判断だ。「無意味な予告と総括の排除」というルールの意味は「自動的に使うな」であって「絶対に使うな」じゃない。使う時は意味を持たせろ、ということ。それを分かった上で。

AI臭い文章は、空虚な形容詞・無意味な予告・根拠なき弱化表現といったくせから生まれる。それを除去するルール集を、技術書出版社ラムダノートの代表が公開した。分身AIにこのルールを仕込む作業は、同時に自分の「文章を読む目」を鍛える作業でもある。

そして、個性的な発信とは「何を書くか」だけじゃなく「何を書かないか」で作られる。


あなたの分身AI、まだAI臭い文章を書いてないだろうか。

一記事だけ、このルールを当てはめて読み直してみてほしい。「本記事では」「まとめると」「非常に重要」「深掘りする」「さらに」が何回出てきたか数えてみる。その数が、今の分身AIとの距離だ。

鹿野さんのスキルは以下のリンクから読める(Unlicense・無料)。

japanese-tech-writing SKILL(GitHub Gist)

直し終わったら、「こういうパターンが多かった」をコメントで教えてもらえると嬉しい。それが次の記事のネタになるから。

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このブログは「分身AI」と「AI秘書・凛ちゃん」を使って書いています。過程も全部公開する「プロセスエコノミー」シリーズです。

ひろくん(田中啓之) 分身AI.com / GPTs研究会代表 / がんサバイバー / 元134kg 2026年6月22日

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